介護現場におけるサービスの質の確保に関する調査研究報告書
-
介護事故等に関する実態把握及び分析をとおして-
1      
《目次》                目次タイトルをクリックするとジャンプします
 
第1章  調査研究の目的及び概要
 







調査研究の目的

調査研究の方法

調査研究体制及び調査研究経過

報告書の見方
  第2章  介護事故及びひやり・はっとの実態に関する調査結果
 







































回答者の基本属性
(1)回答者の居住都道府県
(2)回答者の性別と年齢
(3)回答者の勤務先の種類と定員数
(4)回答者の勤務先の法人の種類
(5)回答者の勤務先における主とする職種
(6)回答者の勤務先における在職年数
(7)回答者の介護福祉士以外の資格の有無
(8)回答者の介護福祉士の資格取得方法と取得年
(9)回答者の勤務先の介護福祉士の有無と人数
(10)回答者の勤務先の直接処遇者の有無と人数
(11)回答者の勤務先の直接処遇者の日勤帯の有無と人数
(12)回答者の勤務先の夜勤体制の有無
(13)回答者の勤務先の宿直者の有無
(14)回答者の勤務先の夜勤職員の職名と人数
(15)回答者の勤務先のユニットケア提供の有無
回答者の勤務先の事故の実態
(1)過去1年間の事故の有無
(2)事故の種類
(3)事故の時間帯
(4)事故の起きたと思われる理由・原因
(5)頻度の多い事故
回答者の勤務先の事故に対する対応状況・体制
(1)事故防止等に関するマニュアルの有無
(2)事故発生時の記録専用様式の有無
(3)再発防止委員会等の設置・会議開催の有無
(4)構成メンバーの職種
(5)委員会や会議体を置いていない理由
回答者の勤務先のひやり・はっとの実態
(1)過去1年間のひやり・はっとの有無
(2)ひやり・はっとへの記入状況と分類結果
(3)ひやり・はっとの起きたと思われる理由・原因
(4)頻度の多いひやり・はっと
回答者の勤務先のひやり・はっとに対する対応状況・体制
(1)ひやり・はっと発生時の記録専用様式の有無
(2)安全対策委員会・事故防止委員会開催の有無
介護現場における事故等防止につながる改善点
(1)ハード・ソフト面が改善されたら防げる「事故」「ひやり・はっと」
(2)回答者がとりうる対応策
  第3章  調査研究のまとめ
 













調査結果からの考察
(1)事業所別にみる介護事故の種類と発生時間のポイント
(2)現場における介護事故及びひやり・はっとの把握について
(3)介護事故及びひやり・はっとの定義・概念
(4)介護事故及びひやり・はっとに関する対応体制の実態
介護事故とひやり・はっとの定義
(1)介護事故の定義
(2)ひやり・はっとという定義
介護現場の安全配慮義務について
(1)結果予見義務
(2)結果回避義務
事故を防止するための3つの方法
(1)個別ケアの推進
(2)情報が適切に開示され、職員間で共有されるための方法と組織化
(3)ユニバーサルデザイン的見地からの職場環境の見直し
 
  第4章  日本介護福祉士会方式介護事故報告書及びインシデント報告書
 












日本介護福祉士会方式の介護事故報告書及びインシデント報告書について
(1)開発の経緯
(2)様式の検討
(3)開発の趣旨
(4)様式の特徴
社団法人日本介護福祉士会方式「事故報告書」様式
社団法人日本介護福祉士会方式「インシデント報告書」様式
記入方法
(1)記入例・介護事故報告書(日本介護福祉士会方式)
(2)記入例・インシデント報告書(日本介護福祉士会方式)
(3)記入方法について
組織としての活用法
データの蓄積と今後の検証作業

資料編 調査票
          
《本編》
第1章 調査研究の目的及び概要
1 調査研究の目的
 医療分野においては、厚生労働省及び日本医療機能評価機構において事故情報の収集分析が行われており、 結果が広く公開され、事故予防やサービスの質の向上に寄与しているが、介護分野において全国規模の取り組みはまだ行われていない。 介護現場における事故は、適切に対応することである程度の予防が可能となる。 また、ひやり・はっと(インシデント)をもとに、事故を未然に防ぐための取り組みも多くみられるようになってきた。
 本調査研究においては、実際の介護現場でどのような事故が起きているのか、またその予防や対策をどのように行っているのかを明らかにするなど、 介護分野における事故及びひやり・はっと(インシデント)の情報を試行的に収集分析し、事故等に対する分析から再発防止に役立て、 ひやり・はっと(インシデント)に対する分析から事故を未然に防ぎ、利用者の安全確保やサービスの質の向上に寄与しようとするものである。

4 報告書の見かた
◇ 回答者数について
図表中の「回答者数」は、各設問に該当する回答者の総数であり、回答率(%)の母数をあらわしている。
◇ 図表の単位について
・本報告書に掲載した図表の単位は、とくにことわりのない限り「%」(回答率)をあらわしている。
・回答率は小数点第2位を四捨五入して掲載しているため、合計が100%にならないことがある。
◇ 図表における選択肢等の記載について
図表の記載にあたっては、調査票の選択肢等の文言を一部簡略化している場合がある。簡略化していない選択肢は、資料(調査票)を参照のこと。
◇ 単純集計について
・回答結果の全体の傾向をとらえるため、単純集計を行い、その特徴等を記述している。
・単純集計のグラフにおいては、傾向をより分かりやすくするために、選択肢を回答率(%)の高いものから低いものへと並び換えて表示している場合がある。
◇ クロス集計について
・クロス集計表の記載にあたっては、分析の柱(説明変数)の項目の「無回答」は掲載を省略している。したがって、分析の柱となる項目の回答者数の合計は、全体の人数とは一致しない。
・クロス集計表の分析の対象となる項目(被説明変数)については、「無回答」の掲載を省略している場合がある。その場合は、該当する表の下に注をつけている。

第2章 介護事故及びひやり・はっとの実態に関する調査結果
(2)回答者の性別と年齢
あなたの性別と年齢(平成20年11月1日現在)をお答えください。
図2-2性別   
回答者の性別は、「女性」86.6%、「男性」12.8%である。「女性」の割合が「男性」に比べて高い。
図表2-3年齢   
回答者の年齢は、「50歳代」が35.2%で最も高く、次いで「30歳代」18.4%、「40歳代」17.3%である。   
(3)回答者の勤務先の種類と定員数
勤務している施設・事業所(兼務している方は、主に勤務している施設・事業所)の種類及び定員をお答えください。 介護を提供する現場に勤めていない場合、仕事をしていない場合などは、選択肢13〜14に○をしてください。
図表2-4勤務先の種類
図表2-5勤務先の種類(4分類)
回答者が勤務している施設・事業所の種類は、「訪問介護事業所」17.6%、「介護老人福祉施設」12.6%、「居宅介護支援事業所」9.8%が上位3位となる。「その他」としては、地域包括支援センター、社会福祉協議会などの回答があげられた。 また、「介護を提供する現場には勤めていない」「仕事をしていない」の合計188人を除いた544人の勤務先を「入所系」「通所系」「訪問系」「その他」に分類すると、「入所 系」39.2%、「訪問系」36.9%となる。
図表2-6勤務先の種類別定員数
定員がある施設・事業所について勤務先の種類別に定員をみると、 介護老人福祉施設及び介護療養型医療施設では定員が「50人以上100人未満」が第1位、同様に、介護老人保健施設では「100人以上150人未満」、 認知症対応型グループホームでは「20人未満」、有料老人ホーム・ケアハウス等では「20人以上50人未満」がそれぞれ第1位となっている。
(5)回答者の勤務先における主とする職種
あなたの主とする職種はどれですか。
図表2-9
勤務先における主とする職種は、「介護業務」が62.1%で最も高い割合であり、次いで「介護支援専門員」14.2%、「管理職」11.6%の順になっている。 勤務先及び法人の種類別にみると、いずれの勤務先においても「介護業務」を主としている割合が高い。

図表2−10勤務先及び法人の種類×勤務先における主とする職種

回答者数(人)

相談業務

介護業務>

医療業務

介護支援専門員

管理職

その他

無回答

全  体

536

6.9

62.1

0.4

14.2

11.6

3.7

1.1

社会福祉法人の介護老人福祉施設

82

9.8

69.5

0.0

11.0

7.3

0.0

2.4

社会福祉法人以外の介護老人福祉施設

10

10.0

80.0

0.0

0.0

10.0

0.0

0.0

医療法人の介護老人保健施設

35

2.9

91.4

0.0

2.9

2.9

0.0

0.0

医療法人以外の介護老人保健施設

(法人不明も含む)

16

6.3

75.0

0.0

12.5

6.3

0.0

0.0

医療法人の介護療養型医療施設

21

0.0

95.2

0.0

4.8

0.0

0.0

0.0

医療法人以外の介護療養型医療施設

5

0.0

80.0

20.0

0.0

0.0

0.0

0.0

認知症対応型グループホーム

31

0.0

58.1

0.0

16.1

22.6

3.2

0.0

有料老人ホーム・ケアハウス等

13

15.4

61.5

0.0

15.4

7.7

0.0

0.0

通所介護又は通所リハビリテーション・事業所

56

17.9

57.1

0.0

3.6

19.6

0.0

1.8

訪問介護事業所

129

0.8

71.3

0.0

1.6

18.6

6.2

1.6

身体障害者施設・事業所

6

0.0

83.3

0.0

0.0

16.7

0.0

0.0

知的障害者施設・事業所

3

0.0

33.3

0.0

0.0

0.0

66.7

0.0

精神障害者施設・事業所

3

0.0

66.7

0.0

33.3

0.0

0.0

0.0

居宅介護支援事業所

72

2.8

23.6

0.0

66.7

6.9

0.0

0.0

その他

54

20.4

46.3

1.9

5.6

7.4

16.7

1.9

2回答者の勤務先の事故の実態
(1)過去1年間の事故の有無
あなたの施設・事業所で、過去1年間に何らかの事故が起きたことがありますか。ある場合は、回数もご記入ください。
図表2-30
過去1年間の事故の有無をたずねたところ、48.3%が事故は「0件(ない)」と回答している。1件以上あると回答した割合は、33.9%である。
図2-31勤務先及び法人の種類・勤務先の4分類×過去1年間の事故の有無

 

回答者数(人)

0件(ない)

1件以上10件未満

10件以上20件未満

20件以上50件未満

50件以上100件未満

100件以上

無回答

全  体

536

43.5

18.7

3.7

3.0

2.2

2.8

26.1

勤務先及び法人の種類

社会福祉法人の介護老人福祉施設

82

4.9

26.8

7.3

8.5

4.9

6.1

41.5

社会福祉法人以外の介護老人福祉施設

10

10.0

10.0

20.0

0.0

20.0

10.0

30.0

医療法人の介護老人保健施設

35

5.7

8.6

8.6

5.7

11.4

8.6

51.4

医療法人以外の介護老人保健施設

(法人不明も含む)

16

0.0

12.5

25.0

0.0

0.0

18.8

43.8

医療法人の介護療養型医療施設

21

19.0

38.1

4.8

4.8

4.8

0.0

28.6

医療法人以外の介護療養型医療施設

5

20.0

40.0

0.0

0.0

0.0

0.0

40.0

認知症対応型グループホーム

31

16.1

51.6

6.5

3.2

0.0

0.0

22.6

有料老人ホーム・ケアハウス等

13

23.1

23.1

0.0

15.4

0.0

0.0

38.5

通所介護又は通所リハビリテーション・事業所

56

41.1

28.6

1.8

3.6

0.0

0.0

25.0

訪問介護事業所

129

80.6

7.0

0.0

0.8

0.0

0.0

11.6

身体障害者施設・事業所

6

16.7

16.7

0.0

0.0

16.7

0.0

50.0

知的障害者施設・事業所

3

0.0

33.3

0.0

0.0

0.0

0.0

66.7

精神障害者施設・事業所

3

33.3

0.0

0.0

0.0

0.0

33.3

33.3

居宅介護支援事業所

72

81.9

8.3

1.4

0.0

0.0

0.0

8.3

その他

54

46.3

18.5

0.0

0.0

0.0

3.7

31.5

勤務先の4分類

入所系

213

9.4

26.8

8.5

6.1

5.2

5.6

38.5

通所系

56

41.1

28.6

1.8

3.6

0.0

0.0

25.0

訪問系

201

81.1

7.5

0.5

0.5

0.0

0.0

10.4

その他

66

40.9

18.2

0.0

0.0

1.5

4.5

34.8

※網掛けのセルは、第1のセル(回答者数が1桁の場合及び「その他」には網掛けをしていない)

(2)事故の種類
事故の概要と期日、事故後の対応について、記入例に倣って新しいほうから古いほうへ5つ記入表にお書きください。(同一人物の同一内容であっても、順にお書きください)。
図表2-32事故の種類
回答者が記載した事故766件の内容を精査した結果、最も割合が高かった事故は「転倒」の35.2%である。次いで、「転落」の18.7%、「表皮剥離」の9.7%などが続く。
図2-33勤務先の種類・勤務先の4分類・事故の時間帯×事故の種類

図表233 勤務先の種類・勤務先の4分類・事故の時間帯×事故の種類

 

事故件数(件)

転倒

転落

表皮剥離

誤薬・ミス

打撲・あざ

骨折

誤嚥・誤飲

離設

異食

創傷

ものの破損等

利用者トラブル

やけど

溺水

送迎時トラブル

その他

全  体

766

35.2

18.7

9.7

4.4

4.3

3.9

3.8

3.7

3.0

2.6

2.1

1.3

1.0

0.5

0.1

5.4

勤務先の種類

介護老人福祉施設

256

32.0

18.0

14.5

2.3

3.9

5.5

5.9

4.3

2.7

3.5

0.8

0.8

0.8

0.8

0.0

3.9

介護老人保健施設

157

33.8

24.2

11.5

5.1

1.9

3.2

0.6

1.3

4.5

3.2

0.6

1.3

2.5

0.0

0.0

6.4

介護療養型医療施設

71

23.9

21.1

12.7

8.5

2.8

9.9

5.6

0.0

2.8

2.8

0.0

0.0

1.4

0.0

0.0

8.5

認知症対応型グループホーム

76

47.4

13.2

0.0

5.3

5.3

1.3

6.6

6.6

3.9

2.6

0.0

1.3

0.0

0.0

0.0

6.6

有料老人ホーム・ケアハウス等

15

40.0

26.7

6.7

0.0

6.7

6.7

0.0

6.7

6.7

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

通所介護・リハ

73

46.6

26.0

1.4

1.4

8.2

0.0

2.7

6.8

2.7

0.0

0.0

0.0

0.0

1.4

1.4

0.0

訪問介護事業所

32

25.0

6.3

12.5

3.1

3.1

0.0

3.1

3.1

3.1

3.1

31.3

0.0

3.1

0.0

0.0

3.1

身体障害者施設等

11

27.3

27.3

0.0

0.0

9.1

9.1

0.0

9.1

0.0

0.0

0.0

9.1

0.0

9.1

0.0

0.0

知的障害者施設等

1

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

100.0

0.0

0.0

0.0

0.0

精神障害者施設等

5

20.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

20.0

20.0

40.0

0.0

0.0

0.0

0.0

居宅介護支援事業所

8

75.0

12.5

0.0

0.0

12.5

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

その他

53

34.0

7.5

7.5

15.1

5.7

1.9

1.9

3.8

0.0

0.0

3.8

1.9

0.0

0.0

0.0

17.0

勤務先の4分類

入所系

575

33.7

19.7

11.3

4.2

3.5

4.9

4.3

3.3

3.5

3.1

0.5

0.9

1.2

0.3

0.0

5.4

通所系

73

46.6

26.0

1.4

1.4

8.2

0.0

2.7

6.8

2.7

0.0

0.0

0.0

0.0

1.4

1.4

0.0

訪問系

40

35.0

7.5

10.0

2.5

5.0

0.0

2.5

2.5

2.5

2.5

25.0

0.0

2.5

0.0

0.0

2.5

その他

70

31.4

10.0

5.7

11.4

5.7

2.9

1.4

4.3

0.0

1.4

4.3

7.1

0.0

1.4

0.0

12.9

事故の時間帯

午前8時〜12時

119

27.7

14.3

20.2

1.7

6.7

8.4

2.5

1.7

2.5

7.6

0.8

0.8

1.7

0.8

0.0

1.7

午後12時〜17時

113

34.5

25.7

1.8

3.5

5.3

2.7

6.2

7.1

4.4

2.7

0.0

0.0

0.0

1.8

0.9

3.5

夕方17時〜20時

42

40.5

16.7

7.1

7.1

7.1

0.0

11.9

0.0

2.4

2.4

0.0

0.0

0.0

2.4

0.0

2.4

夜間20時〜0時

49

44.9

34.7

4.1

6.1

2.0

2.0

0.0

2.0

4.1

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

深夜0時〜5時

39

43.6

38.5

0.0

0.0

0.0

7.7

0.0

5.1

0.0

0.0

0.0

2.6

0.0

0.0

0.0

2.6

朝方5時〜8時

50

42.0

18.0

6.0

0.0

4.0

6.0

0.0

0.0

0.0

2.0

2.0

6.0

4.0

0.0

0.0

10.0

不明

353

34.0

13.9

11.3

6.2

3.7

2.8

4.0

4.2

3.4

1.7

4.0

1.4

1.1

0.0

0.0

7.9

      ※無回答は省略している。
        ※網掛けのセルは、第1位〜第3位のセル(回答者が1桁の場合及び「その他」「不明」には網掛けしていない)
回答者が記載した事故766件の内容を精査した結果、最も割合が高かった事故は「転倒」の35.2%である。次いで、「転落」の18.7%、「表皮剥離」の9.7%などが続く。
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