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令和7年12月3日。及川会長が第249回社会保障審議会介護給付費分科会に出席しました

今回の介護給付費分科会では、令和7年度介護事業経営概況調査の結果について、介護人材確保に向けた処遇改善等の課題、基準費用額についての意見交換等がおこなわれました。

及川会長は、令和7年度介護事業経営概況調査の結果については、資料で示されたデータを拝見すると、他のサービス種別でも素直に受け取れない数字が見受けられるが、ここでは訪問介護サービスについて指摘をしたいとしたうえで、以下について発言しました。
・資料では、訪問介護事業所の赤字割合が35.1%と示されているが、令和5年度の訪問介護事業関連の老健事業報告書(浜銀総研)では、令和5年度決算における赤字割合が41.3%であり、令和5年度より約6ポイントの改善が図られた結果となっている。
・また、訪問介護の延べ訪問回数に占める集合住宅居住者の割合別の収支差率が示されており、集合住宅比率が60~80%の区分で最も高い収支差率となっているが、同じく令和5年度の訪問介護事業関連の老健事業報告書(浜銀総研)では、集合住宅居住者へのサービス提供割合が低い事業所の方が、赤字割合が高いという傾向が示されている。通常の事業実態から考えると、浜銀総研の分析の方が整合性が高いように思われる。
・さらに、「1回の訪問にかかる平均移動時間が45分~1時間」の事業所の収支差率が最も高くなる点についても違和感がある。一般的な訪問介護の運営実態を踏まえると、移動時間が長い事業所ほど収支差率が高くなるという構造には疑問が残る。
・もちろん、これらが正確な実態を反映しているのであれば、結果として受け止める必要があるが、複数データ間の不整合や、実態と乖離しているように見える点があることから、調査手法やサンプル構成によって結果がゆがむ可能性も否定できないと考えている。
・したがって、今後の経営実態調査においては、現場の実態をより正確に反映できるよう、調査設計やデータ収集方法について、可能な限り工夫をお願いしたい。

また、介護人材確保に向けた処遇改善等の課題については、人材流出を防ぐためには、緊急的な対応にとどまらず、介護人材が継続的に働き続けられる環境整備が不可欠である。幅広い職種に対する賃上げの必要性は言うまでもないが、介護分野については、他産業のみならず他職種との給与格差が実質的に改善される処遇改善となることが重要である。とりわけ、介護現場で中核的な役割を担う介護職員には、より手厚い配分が行われるよう、工夫された仕組みとすることを強く要望する。さらに、介護現場で業務改善をリードする役割を担うデジタル中核人材については、養成研修も開始されているところであり、当該研修の修了者を報酬上も適切に評価する仕組みを検討することも一案と考える旨。等について発言しました。