令和8年10月9日。今村会長が第269回社会保障審議会介護給付費分科会に出席しました
今回の介護給付費分科会では、令和9年度介護報酬改定に向け、各サービス(定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護)に係る意見交換がおこなわれました。
今村会長は、示された資料を踏まえ、以下等について発言しました。
○小規模多機能型居宅介護について
・今回示されている、要介護1・2の段階からの早期の受入れや、状態の維持・改善、重度化防止の機能を評価する方向については、基本的に賛同する。
・小規模多機能型居宅介護では要介護1・2の利用者が多くなっているが、軽度だから支援の必要性が低いということではない。身体介護だけでなく、服薬管理、認知症の方への見守りや対応、孤立の予防、生活支援など、日々の暮らしを継続して支えていくことが必要となる。こうした支援は、状態が重くなってから対応するというよりも、早い段階から介護福祉士などが本人の生活を継続的に把握し、状態の変化を捉えながら支援することで、住み慣れた地域での生活をできるだけ長く支えていくものだと考える。そのため、単純に要介護度や提供する介護の量だけを見るのではなく、軽度の段階から専門的に関わり、状態の維持・改善や重度化防止を図るとともに、状態が変化しても、その人らしい在宅生活の継続を支えていく専門的な介護を適切に評価していただきたい。
○認知症対応型共同生活介護について
・今回、グループホームを、認知症の方が地域とのつながりを持ちながら主体的に暮らし続けるための地域の拠点として評価していく方向性が示されている。この方向についても賛同する。
・特に重要なのは、認知症の方を単に「支援を受ける人」として捉えるのではなく、本人の希望や有する力を活かし、社会参加や、本人が自らの思いを表すことにつなげていくことだと考える。介護福祉士は、日々の生活の中で本人の思いや生活歴、有する力等を把握し、本人の意思や状態の変化を捉え、それをチームで共有しながら、その人らしい生活につなげている。こうした本人主体の認知症ケアや意思決定支援、多職種や地域とのつながりをつくる役割についても、介護福祉士の専門的実践として適切に評価していただきたい。
・また、小規模多機能型居宅介護、グループホームともに、こうした専門的な介護は特別な場面だけで行われているものではなく、日常的なケアそのものであり、個々の加算を積み上げて評価するだけではなく、介護福祉士等が日常的に行っている専門的な介護実践そのものを、基本報酬において適切に評価する視点も重要だと考える。
○人員配置の柔軟化とICT・テクノロジーの活用について
・小規模多機能型居宅介護やグループホームでは、人材不足への対応として、人員配置の柔軟化やICT・テクノロジーの活用が示されている。その必要性は理解するが、配置基準の柔軟化が、結果として単なる人員削減につながることのないよう、慎重に検討する必要があると考える。ICTやテクノロジーは、職員の負担を軽減することだけが目的ではなく、そこで生み出された時間を、利用者への直接的な支援やアセスメント、日々の状態変化の把握、コミュニケーションなど、利用者に直接向き合う専門的な介護に振り向けていくために活用することが重要だと考える。
・また、配置を柔軟化するのであれば、これまでも申し上げているが、一定の経験と専門性を有する介護福祉士などが中核となり、多様な人材を束ね、人材育成や助言を行いながら、チームとしてケアの質と利用者の安全を確保する体制と併せて検討していただきたい。
○定期巡回を含めた訪問系・多機能系サービスの評価について
・今回、住まいの形態に合わせたサービス提供に係る報酬の在り方が示されているが、同一建物等で効率的にサービスを提供できる場合と、地域に点在する利用者宅を一軒一軒訪問する場合とでは、移動時間や職員確保など、サービス提供に必要となる負担は異なる。特に中山間・人口減少地域では、効率性だけで評価すれば、必要なサービスそのものを維持できなくなることを懸念する。
・夜間対応型訪問介護の定期巡回への統合に当たっても、現在の利用者が必要なサービスを継続して利用できることを前提として、住まいの形態だけではなく、移動や待機、緊急時の対応など、地域を面的に支えるために必要となる負担や役割についても、適切に評価していただきたい。