令和8年11月2日。今村会長が第273回社会保障審議会介護給付費分科会に出席しました
今回の介護給付費分科会では、令和9年度介護報酬改定に向け、各サービス(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院)に係る意見交換が行われました。
今村会長は、各論点について、以下のとおり発言しました。
〇介護支援専門員の兼務について
中山間・人口減少地域における人材確保の難しさを踏まえ、兼務の範囲を本体施設の業務と一体不可分なものに限定する方向性には賛同するが、兼務によって負担が過重となり、施設サービス計画の作成やモニタリングが手薄になることのないよう、入所者の処遇に支障が生じないことを基本に、運用上の留意点を明確にしていただきたい。また、入院期間中の取扱いについても、基準の趣旨を明確にする方向性には賛同するが、退院後の再入所に向けた適切な対応が確保されるよう、本人や家族への説明を含め、配慮をお願いしたい。
〇経過的小規模介護老人福祉施設等の基本報酬について
離島・過疎地域に所在する経過的小規模特養について、令和9年度改定では基本報酬を見直さないとする対応案には賛同するが、資料では、特養全体の収支差率が7級地やその他の地域で極めて低いことも示されている。地域のサービス提供体制を守る観点から、離島・過疎地域以外についても、地域区分や個々の施設の経営実態、地域で果たしている役割を丁寧に把握し、必要な経過措置や報酬上の配慮を検討いただきたい。特に、報酬の見直しが職員の処遇や介護の質の低下につながらないよう、十分な配慮をお願いしたい。
〇加算の整理について
退所支援等に係る加算の統合・整理については、事務負担の軽減などの観点から、方向性は理解するが、算定率が低いことのみをもって、取組の必要性が低いと判断することには慎重であるべきであり、退所時の相談援助や情報提供など、利用者の生活の継続に必要な支援が、引き続き適切に評価されるようお願いしたい。また、廃止が提案されている加算についても、対象施設への影響を把握し、必要な配慮をお願いしたい。
〇透析患者の受入れ・支援に対する評価について
送迎や医療機関との連携に加え、日常生活への支援を含めて総合的に評価する方向性には賛同する。透析後の疲労や体調の変化によって、普段は自分でできている移動や排泄などが難しくなる場合もある。こうした変化を捉え、その日の状態に応じて支援を調整し、本人の持つ力を生かしながら生活を支えることは、介護福祉専門職が担う専門的な役割のひとつである。医療的な対応や送迎等だけでなく、生活全体を捉えた専門的な介護実践についても、適切に評価していただきたい。
〇サービス類型を横断した介護福祉士の専門性の評価について
今回の特養、老健、介護医療院をはじめ、介護の現場では、多様で複雑なニーズを有する利用者の生活を支えており、専門性に裏付けられた質の高い介護の提供が不可欠である。介護福祉士には、介護過程に基づく実践や多職種との連携、介護職チームの質の向上など、中核的な役割が求められている。一方で、これまでの介護報酬体系が、こうした専門性や役割を十分に評価できているのか、改めて検討する必要があると考えている。専門性や役割を適切に評価することは、人材の確保・定着に資するだけでなく、介護福祉士自身の専門職としての自覚と責任を促し、その専門性を発揮した実践を通じて、介護の質のさらなる向上につながるものと考える。