令和8年10月26日。今村会長が第137回社会保障審議会介護保険部会に出席しました
今回の介護保険部会では、持続可能性の確保(給付と負担)、要介護認定のほか、介護支援専門員法定研修の見直しの検討状況の報告を受けたうえでの議論がおこなわれました。
今村会長は、各論点について、以下のとおり発言をしました。
〇持続可能性の確保(給付と負担)について
・介護保険制度の持続可能性を確保するため、世代間・世代内の公平性を踏まえ、負担能力に応じた公正な負担を検討する方向性については理解している。一方で、介護サービスは利用者の日常生活を継続的に支え、自立した生活や尊厳の保持を支えるものであり、負担の増加によって必要なサービスを控えることになれば、生活機能の低下や要介護状態の重度化を招くだけでなく、家族の介護負担の増加につながることも懸念される。利用者負担の見直しにあたっては、各論点以外にも、高齢者の生活実態を十分に踏まえるとともに、必要な介護サービスを継続して利用できることを基本に、見直しによるサービス利用や生活への影響を継続的に検証することが重要と考える。
・資料で「介護保険における2割・3割負担の導入による影響に関する調査結果」が示されているが、その後の影響についても検証すべきである。
〇要介護認定について
・要介護認定の迅速化や審査の簡素化については、必要なサービスを適時に利用できる環境を整える観点から、基本的に賛同する。その上で、在宅で生活する方や認知症の方の要介護認定の評価について、意見を申し上げる。在宅で生活する方の介護実態を一次判定データに反映することは、介護の必要性をより適切に評価する上で重要と考える。資料で示されている調査において、同じ要介護度であっても介護時間には大きなばらつきが見られており、生活環境や必要な支援の内容など、在宅での実態を踏まえた評価が求められる。今後、在宅や通所介護等のサービス利用者のデータの活用等にあたっては、介護に要する時間だけでなく、実際にどのような支援が必要とされているのか、という視点も含め、実態が適切に反映されるよう検討を進めていただきたい。
・また、認知症の方については、要介護1・2など身体機能が比較的維持されている場合でも、継続的な見守りや状況に応じた対応が必要となることがある。こうした支援には、本人の行動の背景を理解し、意思を尊重しながら安全と安心を確保するための専門的な知識や技術が求められる。専門的な関わりによって本人の状態が安定し日常生活が維持されている場合、表面的には介護の手間が少ないように見えることもある。今回の資料では、認知症の方への手間は現行の一次・二次判定で評価されていると整理されているが、制度上評価できることと、実際に適切に評価されていることは必ずしも同じではないと考える。認定調査の特記事項や主治医意見書への具体的な記載、二次判定での適切な評価を徹底するとともに、介護に要する時間を基本とする現在の評価方法で、認知症の方に必要な支援を捉えられているのかを検証する必要があるのではないかと考える。身体介護だけでなく、認知症に伴う継続的な見守りや、本人の生活を支えるために必要な関わりをどのように評価することが適切なのか、直ちに結論を得ることは難しい課題だが、今後の制度見直しに向けて、要介護認定の評価方法そのものの在り方についても、検討課題として位置付けていただきたい。
〇介護支援専門員法定研修の見直しの検討状況について
・研修の受講負担を軽減し、柔軟な受講を可能とする方向性は理解する。一方で、ケアマネジャーの専門性を維持・向上させることは引き続き重要であり、利用者の生活実態を把握し、他の専門職の知見をケアマネジメントに活かすための、実践的な学びを確保する必要があると考える。介護人材だけでなくケアマネジャーの確保が厳しさを増す中、ケアマネジャーについても業務の効率化が求められているが、こうした状況だからこそ、専門職間の適切な役割分担や情報共有を進め、限られた人材の中でも必要な支援の質を確保していくことが重要である。特に、介護福祉士が日々の支援を通じて把握した利用者の状態や生活上の課題、本人の意思や希望などを、ケアマネジメントに適切に反映できるよう、研修資材の作成にあたっては、他職種との連携を重視した研修内容としていただきたい。