• トピックス一覧
  • 令和8年8月28日。今村会長が第263回社会保障審議会介護給付費分科会に出席しました
お知らせ

令和8年8月28日。今村会長が第263回社会保障審議会介護給付費分科会に出席しました

今回の介護給付費分科会では、令和9年度介護報酬改定に向け、「介護人材の確保に向けた処遇改善等」「介護現場の生産性向上等の推進」「高齢者虐待の防止/介護現場の安全性の確保、リスクマネジメント」「災害時等における業務継続の取組の強化等」「介護現場におけるハラスメント対策」についての意見交換等がおこなわれました。

今村会長は、各テーマについて以下のとおり発言しました。

〇介護人材の確保に向けた処遇改善等
・他産業への人材流出を防ぐためにも、一時的な対応ではなく、継続的に賃金を引き上げられる仕組みが必要である。
・その上で、一律の賃上げだけではなく、介護福祉士が専門性を高め、より高度な実践や人材育成等の役割を担うことが処遇向上につながる仕組みを、介護報酬上も明確にしていただきたい。管理職への昇進だけでなく、それぞれの専門領域を深めていく「山脈型キャリア」についても、具体的な評価につなげることが重要である。
・その際には、研修修了そのものではなく、高めた専門性を生かして、より高度な介護実践や人材育成等、現場で具体的な役割を担っていることを評価する仕組みとしていただきたい。

〇介護現場の生産性向上等の推進
・人材不足が進む中、業務の見直しやテクノロジーの活用、職種間の役割分担を進めることは必要であり、その効果を踏まえて人員配置のあり方を見直していく方向性も否定するものではないが、利用者の状態や緊急時の対応、安全性への影響まで十分に検証する必要がある。
・その上で、介護福祉士の専門性を明確にし、介護助手等を含めたタスクシフト・タスクシェアを進める方向性は重要である。
・介護現場では、介護助手を適切に活用することで、介護職がその専門性をより発揮し、結果として介護の質の確保につながっている実践もみられている。一方で介護助手を介護職とは別の業務集団として捉えるのではなく、介護職チームの一員として位置付け、それぞれの役割と責任、連携のあり方を明確にすることが重要である。
・こうした役割分担を進める中で、介護福祉士が利用者の生活全体を捉え、専門的な介護実践に加え、チーム内の連携を図り、介護助手等との適切な役割分担を通して、ケアの質の確保に役割を発揮できる体制として進めていただきたい。
・また、生産性向上によって生み出された時間を、利用者へのケアや人材育成、キャリア形成に還元するとともに、テクノロジーから得られる情報についても、利用者の状態把握やケアの見直しに活用するなど、生み出された「時間と情報」を介護の専門性と質の向上に還元するという視点を、次期報酬改定の中で明確にしていただいた上で、併せて、こうした取組を現場で牽引するデジタル中核人材等の役割についても、介護報酬上の評価を検討いただきたい。

〇高齢者虐待の防止/介護現場の安全性の確保、リスクマネジメント
・虐待防止については、委員会や担当者を置くことにとどまらず、現場で実際に機能する仕組みとすることが極めて重要であり、そのためには、単に担当者を定めるのではなく、虐待防止等の取組を現場で牽引する役割を明確にし、その役割を担う人材が確実に配置される仕組みとすることが重要である。
・だからこそ、これまでも申し上げているように、虐待防止や身体拘束の適正化を現場で牽引するリーダーとして介護福祉士を位置付け、その役割を介護報酬上評価する仕組みとすべきである。これは、虐待の未然防止につながるだけではなく、介護福祉士自身に、権利擁護を担う専門職としての自覚と責任を促すことにもつながると考える。
・また、事故防止については、事故情報を収集するだけではなく、分析し、事例検討を行い、ケアの見直しにつなげる一連の取組が重要である。

〇災害時等における業務継続の取組の強化等
・BCPについては、未策定への減算だけではなく、合同訓練や相互応援体制の構築など、災害時に実際に機能するための取組を評価する方向へ進めていただきたい。
・大規模災害では、一つの施設・事業所だけでサービスを継続することには限界があり、平時から地域の施設・事業所や関係機関等と連携し、必要な支援を相互に補完できる体制を構築しておくことが、BCPの実効性を高める上でも重要である。
・その上で、今回の熊本地震では、DWATや施設・事業所への応援派遣が本格的に稼働するまでの「つなぎ」を誰が担うのかという課題も改めて明らかになったと認識している。
・一時避難所にも要配慮者がおられ、特に夜間には見守り等の支援が必要となる。発災直後から必要な福祉・介護支援を開始し、DWAT等の正式な支援につなぐ初動体制についても、平時から構築しておく必要がある。
・介護福祉士会としても、この初動期の「隙間」を埋めることは、地域に組織を持つ専門職団体として担うべき役割の一つと考えており、行政や関係機関と連携し、その仕組みづくりに積極的に参画したい。
・次期報酬改定においては、BCPを策定していることだけではなく、地域との連携や相互応援など、災害時にも介護サービスを継続できる実効性ある取組を後押ししていただきたい。併せて、報酬だけで対応できる課題ではないが、発災直後から必要な福祉・介護支援につなぐ地域の初動体制についても、関係施策と連携して検討いただきたい。

〇介護現場におけるハラスメント対策
・介護従事者の安全を確保することは、人材の定着と介護サービスの安定的な提供のためにも重要である。
・特に訪問系サービスなど、一人での対応に危険がある場合には、複数名での対応を確実に選択できるよう、必要なコストを介護報酬で支える仕組みが必要である。
・利用者等の同意が得られないために必要な安全対策が講じられないことのないよう、現行の取扱いを検討いただきたい。
・一方で、認知症等に伴って、職員への強い言動や身体的な行為が現れる場合もある。職員の安全を大前提としながら、その言動や行為の背景にある利用者の状態等を適切に捉え、必要なケアや対応につなげることも重要である。個々の職員に対応を委ねるのではなく、組織として対応し、重大な事案については地域の関係機関につながる仕組みも併せて整備していただきたい。