令和8年9月18日。今村会長が第136回社会保障審議会介護保険部会に出席しました
今回の介護保険部会では、第1号保険料の在り方、持続可能性の確保(給付と負担)のほか、介護情報基盤や介護サービス事業者の経営情報の調査分析、介護事業者の連携強化等に係る報告を受けたうえでの議論がおこなわれました。
今村会長は、持続可能性の確保に関連して以下について発言しました。
・利用者負担の在り方については、介護保険制度を将来にわたって持続可能なものとしていくこと、さらに、世代間・世代内の公平性を確保し、現役世代の負担を抑えていくことは、重要な課題として認識している。また、負担能力に応じて負担いただく考え方についても、制度の公平性を考える上で重要な視点である。一方で、介護現場の立場から申し上げると、給付と負担の見直しに当たっては、実際にサービスを利用している方々の生活への影響を十分に見るべきではないかと考える。介護サービスは、単に一時的な支援を提供するものではなく、日々の生活を継続し、その人らしい暮らしや自立を支えるものである。利用者負担が増加した場合、必要なサービスの利用を控え、結果として生活機能の低下や重度化につながり、かえって将来的な給付の増加につながる可能性もある。特に「一定以上所得」の基準については、制度としての財政的な効果だけではなく、どのような方が、どの程度の介護サービスを利用しており、負担が変わることで生活にどのような影響が生じるのかという視点からも、丁寧に検証していただきたい。必要な方が必要なサービスを受けられることを基本としながら、負担能力に応じた公平な負担を検討していただきたい。
・軽度者への生活援助サービス等については、今後の検討に関連して一点申し上げるとしたうえで、生活援助には、掃除や調理などの日常生活への支援を通じて、利用者の心身の状態や生活環境を把握し、本人のできることを活かしながら、介護予防や自立した生活の継続につなげていくという側面もある。そのため、今後、軽度者への生活援助サービス等について検討を深める際には、個々の作業内容だけではなく、利用者の状態や支援の目的、専門的な判断の必要性なども踏まえて、丁寧に検討していただきたい。
また、介護事業者の連携強化については、中山間・人口減少地域において、事業者間の連携・協働を進め、限られた人材や地域資源を活かしながら、必要な介護サービスを維持していく方向性は重要である。特に、小規模事業者が単独では取り組みにくいICTや介護テクノロジーの導入、人材育成、研修、採用、バックオフィス業務などを共同で行うことは、事業継続や職員の負担軽減につながるものと考える。その際、テクノロジーについては、導入時だけではなく、システム利用料、保守費用、機器の更新費用など、継続的なランニングコストが生じる。共同利用を含め、導入後の運用に必要となる費用も支える仕組みを検討していただきたい。また、連携・協働は、効率化や大規模化そのものを目的とするのではなく、地域に必要なサービスを維持し、その質を確保するための手段として進める必要がある。法人間の人材連携等を前提とした配置基準の弾力化についても、職員の業務負担やサービスの質・安全性に影響が生じないことを大前提とし、実際の勤務体制、緊急時の対応、専門職による支援の継続性などを十分に検証していただきたい。
なお、介護保険制度の持続可能性は、給付と負担のバランスだけではない。現場で必要な介護人材が確保され、介護福祉士をはじめとする専門職が、その専門性を発揮できる環境を整えることも、持続可能性を支える重要な基盤である。給付と負担の見直しを単なる抑制として捉えるのではなく、地域に必要な介護サービスを将来にわたって持続的に提供するための仕組みづくりとして、検討を進めていただきたい旨。発言しました。